20歳の頃、とあるスーパーでアルバイトをしていたときの話。年末年始のギフトコーナーで販売や品出しをしていた。
働き始めて何日か経った頃、販売を任され領収証を書き始めた初日のこと。
うっかり 数字を間違えた そして、破ってくず入れに 捨てた
事が起きた
気付いたときには、店内のゴミ集積所でゴミをあさっていた…。背の高さよりも、はるかに高いゴミの山の中だった、と記憶にはある。
事の発端は、閉店後の精算時に1件(組)の領収証が切り取られていた領収帖が見つかったのだ。
あっ、自分だ、と思った。
事の重大さに気付かされた
たかが紙切れくらいとしか思わなかった。
探し出して来い、フロア・マネージャーから言われた。
売り場のリーダーが一緒に探してくれた。
しかし、見つからなかった。砂浜で、どこで落としたかもわからない指輪ひとつを見つけ出すようなものである。見つけ出せたらキセキだと感じた。
どのくらいの時間探し続けたろうか…。
マネージャーから一言。
大きな失敗は、領収証の控えまで切り取って捨ててしまったこと。
控えを切り取ることなど領収帖には、あってはならないこと、なのである。
切り取ることが何を意味するのか、分かっていなかったのである。
ゴミの山をあさる。今の時代では、もうありえないことでしょう。40年ほど前の、今となっては、貴重な苦い体験である。